養子縁組無効調停の審判手続




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養子縁組無効調停の審判手続

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養子縁組無効調停の審判手続

当事者間に縁組無効の合意が成立し、その無効の原因について争いがない場合、家庭裁判所は、さらに必要な事実を調査した上、調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴き、その合意を正当と認めるときに縁組無効の審判を行ないます。

縁組無効の審判は、適法な異議の申立がないとき、また、異議の申立を却下する審判が確定したときは、確定判決と同一の効力を有します。

しかも、その効力は第三者に及ぶ対世的効力を有します。

利害関係人は家庭裁判所に対し、当事者が縁組無効の審判の告知を受けた日から2週間以内に異議の申立をすることができます。

異議の申立があれば、審判は当然にその効力を失います。

異議申立人は、異議の申立を却下する審判に対して即時抗告をすることができます。

異議の申立によって縁組無効の審判が失効した場合に、当事者がその旨の通知を受けた日から2週間以内に訴えを提起したときは、調停の申立の時に、その訴えがあったものとみなされます。

調停委員は、事件が性質上調停するのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的で調停の申立をしたと認めるときは、調停をしないことができます。

調停をしない措置に対して、不服申立を許す規定はないので、即時抗告は認められません。

民事調停でも調停をしない措置につき同じ規定がありますが、この措置に対して不服申立は認められません。

調停委員会は、当事者間に合意が成立する見込がない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合において、家庭裁判所が審判をしないときは、調停が成立しないものとして、事件を終了させることができます。

調停不成立として事件を終了させる処分は審判ではないので、これに対して即時抗告や非訟事件手続法による抗告をすることができません。

また、裁判所書記官が当事者に対して行なう通知も、調停手続における審判に該当しないので、同様に解されます。

調停委員会が、調停を不成立としたときは、事件は終了し、この紛争は訴訟手続で解決することになります。

調停が不成立に終わると時効中断の効力を生じないことになりますが、申立人は調停不成立の通知を受けた日から2週間以内に訴えを提起したときは、調停申立の時に、その訴えの提起があったものとみなされます。

調停が不成立によって終了した場合、民事調停法19条に定める期間内に訴えを提起しなかってときは、調停申立に時効中断の効力は認められないと解されていましたが、この場合においても、1ヶ月以内に訴えを提起したときは、民法151条の類推適用により、時効中断の効力を生ずるとされました。

民事調停法19条に相当するのは家事審判法26条2項ですから、家事調停についても民事調停と同様に解することができます。

民事調停法第19条
 
第14条(第15条において準用する場合を含む。)の規定により事件が終了し、又は前条第2項の規定により決定が効力を失つた場合において、申立人がその旨の通知を受けた日から二週間以内に調停の目的となつた請求について訴を提起したときは、調停の申立の時に、その訴の提起があつたものとみなす。

民法第151条

和解の申立て又は民事調停法(昭和26年法律第222号)若しくは家事審判法(昭和22年法律第152号)による調停の申立ては、相手方が出頭せず、又は和解若しくは調停が調わないときは、一箇月以内に訴えを提起しなければ、時効の中断の効力を生じない。


裁判所書記官は、縁組無効の審判が確定した場合は当事者の本籍地の戸籍事務管掌者に対し、当事者間に合意が成立せず又は合意は成立したが家庭裁判所が縁組無効の審判をしない場合に事件が終了したとき又は異議の申立によってその審判が失効した場合には当事者に対し、それぞれ遅滞なくその旨を通知しなければなりません。

縁組無効の審判が確定したときは、申立人は、その審判が確定した日から1ヶ月以内に、審判書の謄本及び確定証明書を添付して、戸籍訂正の申請を当事者の本籍地又は届出人の所在地にしなければなりません。

申立人が申請をしないときは、相手方が戸籍訂正の申請をすることができます。

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